ナガエツルノゲイトウは特定外来生物です。
生態系や農業への悪影響の恐れがある植物です。
ナガエツルノゲイトウは南米原産の多年草で、主に水辺に生息。
繁殖力の強さに対し駆除対策が追い付いていない状況があります。
ここでは、ナガエツルノゲイトウの生態や防除対策などを紹介していきます。
ナガエツルノゲイトウとは?
ナガエツルノゲイトウは、全国で急速に繁殖しており
水路の閉塞、水田への侵入、スクリーンの目詰まりなど
様々な被害をもたらしています。
ナガエツルノゲイトウは1989年、兵庫県尼崎市で発見されました。
現在21府県で確認されています。
南米原産の多年草、主に水辺に生息しています。
それぞれの節から新芽や根を出して増えていきます。
2㎝でもあれば新しい株を作ることができる強力な生物です。
茎はストロー状で折れやすく、節のところで簡単に分かれます。
中が空洞なので軽くて水に浮きやすく、下流に流れていった先で
群落をつくります。
2センチ程度の茎の切れ端からでも再生できるため、
その折れた茎が下流に流されて、そこで再生し群生をいくつも作ることができます。
秋の乾燥した土に置かれても枯れることはありません。
陸にあげて2か月たった後でも、簡単に芽を出すことができます。
乾燥にも強い植物です。
繁殖力が高いので特定外来生物に指定されています。
これは、外来生物法という特定外来生物による生態系や
人の生命、体、農林水産業の被害を防止する目的で作られた法律です。
ナガエツルノゲイトウ 名前の由来
花の柄が長いから、という見たままの名前です。 写真出典:農林水産省Webサイトより
葉は対生についています。葉の淵にはわずかに鋸歯という
切れ込みがみられるのが特徴です。
また、なめらかな茎を折ると中が空洞になっています。
茎には節があり、ここから芽が出やすいです。
ナガエツルノゲイトウがひきおこす困りごと
大雨が降ると、ナガエツルノゲイトウの折れやすい節が
大量に流され、浮島を作って水の流れをせき止めたり
排水機場の除塵スクリーンに詰まったりします。
水路をふさいで、入水や排水の邪魔もします。
のうちに水があふれ、洪水になることもあります。
田んぼに入り込むと、作物と競合し、作物の生育を悪くして
収穫量を減らしてしまうこともあります。
また、収穫時にコンバインに絡みついて作業効率をさげてしまいます。
さらに、ナガエツルノゲイトウを除去するには大変の労力と
産業廃棄物処理のお金がかかります。
水辺を大きく覆ってしまうと、
もともと住んでいた生物を追い出すことにもなってしまいます。
大繁殖により、水中の酸素が減って水質の悪化、水生生物への悪影響もあります。
ナガエツルノゲイトウ繁殖対策
まず早期に対策することが必須です。
有効な対策がまだ見つかていないため、対策としては
できるだけ迅速に除去をする基本的な方法しかないのです。
茎から簡単に再生してしまうので、丁寧に除去しなければなりません。
時間がたつとともに、除去に時間やコストが必要になるので
関連する農業事業者や地域の方、行政が協力して駆除に当たる必要があります。
外来生物法による駆除のルール
特定外来生物の繁殖を防ぐため、栽培、運搬、保管、輸入、
野外への放出、植栽、種をまく、許可を受けていない者への譲渡は禁止されています。
生きたまま運搬するには、特定の手続き(インターネットなどによる事前の告知、拡散させないための
対策)が必要です。
詳しくは下記サイト、農林水産省の情報を参考にしてください。
【解説】知っていますか?特定外来生物”ナガエツルノゲイトウ”
ナガエツルノゲイトウ駆除のまとめ
とにかく早期発見と早期駆除が基本です。
民間、行政が協力して継続的に駆除活動をすることが大切です。
静岡市葵区にある「あさはた遊水池」でもナガエツルノゲイトウ駆除の活動を
やるということなので、参加するつもりです。
多くの方にナガエツルノゲイトウの害を知っていただき、駆除の活動に
参加してもらえたら嬉しいです。