近くにある遊水池に生えているミズアオイ。
名前だけは知っていましたが、初めて見ることができました。
夏から秋にかけて、水田や池沼などで青紫色の美しい花を咲かせます。
宅地開発や、河川改修、除草剤の散布などで数が激減。
絶滅危惧種に選定されている植物なので、
目にする機会も減っていると思います。
ミズアオイの基本情報
ミズアオイは1年草で別名ナギ(水玉葱・菜葱)
原産地は東アジアですが、日本では主に水田や河川、池沼などの
湿地帯に生育しています。
花の咲く時期は8月から10月。
初めて見た時は、そのすがすがしい姿にびっくりしました。
まだ見たことのない方、ぜひミズアオイに会いに行ってください。
心が洗われるような気持になると思います。
ミズアオイの花言葉 : 前途洋々
花が葉よりも高い位置につくことから、
前がよく見える、見晴らしがよい、ということからつけられたようです。
花そのものは直径2センチ前後です。
花の色がとてもさわやかな青紫。日本人好みではないでしょうか?
ミズアオイのように、前をしっかりと見据え、美しい中にも、ちから強さを感じられる
生き方、素敵だなと思います。
ミズアオイの葉:葵のご紋?
芽生えの時は、細くとがった形のミズアオイの葉。
成長すると光沢のあるハート形の可愛い形になります。
葉がフタバアオイの形に似ているため、水辺の葵、
「ミズアオイ」と呼ばれるようになりました。
ミズアオイの効能
かつてはミズアオイの若い芽や葉を塩ゆでにして食用としたようです。
だからナギ(菜葱)つまり野菜の一種、ネギのように使うので
ついた名前と言われます。
繁殖力が強いので、食用として重宝な野草だったのかもしれません。
九州地方ではミズアオイの葉や茎を煎じ、胃潰瘍の薬として用いられたこともあるそうです。
ミズアオイに似た植物:ホテイアオイとコナギ
ホテイアオイ
ホテイアオイはブラジル原産の浮漂性多年草です。
池や水辺に生育している植物です。
その根が、メダカなどにとって卵を産み付けるのにちょうどよい産卵床になります。
楕円形に膨らんだ葉柄が特徴。中を見るとスポンジのようです。
花色はミズアオイよりも薄く淡い青紫の花です。
コナギ
コナギは水田雑草で、水田などの湿地帯に生えています。
ミズアオイと同じミズアオイ科ですが、ミズアオイは絶滅危惧種。
それに対し、コナギは強害雑草と呼ばれるほど数多く繁殖し、
厄介者扱いです。
一度、発生すると完全に駆除するのは難しいとされています。
防除剤を用いてコナギの防除に努めるひともあるとのこと。
また、コナギは房状の穂の中に青紫の花が数個集まった状態で開花し、
花は葉よりも低い位置に咲くのが特徴です。
一方、葉よりも少し高いところに花序が出るミズアオイは
葉より高い位置に咲くため、花が咲くとよく目立ちます。
ミズアオイ:まとめ
絶滅危惧種のミズアオイですから
なかなかお目にかかれない貴重な植物です。
その青紫の花は、本当にさわやかな感じで、
花も2~3センチあり、しかも野草好きには
たまらない植物かと思います。
水辺に咲く小さな植物ではありますが、
「前途洋々」という花言葉のように力強さとりりしさも持っている植物です。